📊 事実
制度と報告義務
- 個人情報保護委員会は、令和6年度第1四半期から「監視・監督権限の行使状況の概要」と「漏えい等報告の処理状況」を公表しているソース1。
- 個人情報取扱事業者は、個人情報保護に関する法律第16条第2項に基づき、個人データの適正な取扱いを求められているソース1。
- 個人情報の漏洩があった企業は、事案発覚から3~5日以内に個人情報保護委員会に報告することが義務づけられているソース4 ソース5。
- 個人情報保護法第26条に基づき、個人データの漏えい等が発生した場合、原則として本人への通知が必要であるソース10。
- 個人情報保護委員会事務局は、ウェブサイト運営事業者に対し、平成30年6月28日に注意喚起を行い、令和元年7月12日に最終改訂したソース2。
- サイバー対処能力強化法に基づくインシデント報告の基準との整合性を確保する必要があるとされているソース10。
漏えい事案の現状と規模
- 令和7年度第3四半期における個人情報保護委員会の指導・助言件数は136件で、そのうち民間事業者に対する指導は104件であり、不正アクセスを原因とする漏えい等事案が中心であったソース7。
- 令和8年度第1四半期において、個人情報保護法に基づく指導等の件数は43件であったソース8。
- 国内のサービスにおいて不正アクセスによる情報漏えい事案が相次ぎ、運転免許証の画像やクレジットカード情報が流出した事例が報告されているソース6。
- ECサイトや会員用ウェブサイトにおける情報漏えい事案が多く報告されており、企業規模や業種に関係なく様々なウェブサイトが不正アクセスの標的となっているソース2。
- 令和8年4月以降、不正アクセスによる個人情報漏洩はのべ約2億6千万人分にのぼるソース4 ソース5。
- 令和8年4月1日から10月16日までに報告された不正アクセスによる漏洩事案は2094件であり、昨年度の1256件を大幅に上回っているソース4 ソース5。
- 同期間の日本の人口1億2297万人に対し、漏洩件数はその2倍超にあたるソース4。
- 令和8年4月から9月にかけて、不正アクセスによる報告件数は月次で増加傾向を示し、9月には303件に達したソース3。
- 令和8年10月16日時点の報告件数830件の内訳は、10万人以下が588件、100万人以下が23件、100万人超が18件、1,000万人以下が4件、不明が197件であったソース3。
- 漏えい等した個人データに係る本人の数が1,000人以下の事案が全体の96.0%を占め、1人の事案が84.0%を占めるソース10。
漏えいの原因と経路
- 不正アクセスによる漏えい等の原因として、VPN機器の脆弱性や設定ミスが多く見られたソース7。
- 既知の脆弱性対策を怠ったことによる情報漏えい事案、SQLインジェクション攻撃、リスト型攻撃が具体的な事例として挙げられているソース2。
- 事業者のサーバがRDP接続による不正アクセスを受け、ランサムウェアに感染し、個人データが漏えいした事案が報告されたソース8。
- 委託先業者にセキュリティ対策を任せっきりにせず、委託元には委託先の監督義務があり、セキュリティ監査の実施や契約内容の確認を定期的に行う必要があるソース2。
- 中小企業において、委託契約にセキュリティ対策が含まれていなかった事例が報告されているソース2。
- 事業者が運営する病院において、廃棄予定のPC端末から患者の個人データが漏えいするおそれが生じた事案があったソース8。
- 令和8年1月、青森県等4県においてオンライン資格確認システムの災害時モードが有効化され、個人情報の不正取得が行われた事案が発生したソース8。
行政機関の漏えい事例
- 外務省が運用するネットワークに対する不正アクセスが2026年7月27日に発生し、約3,600件の個人情報(うち外務省員以外のものが約900件)が漏えいした可能性があるソース9。
- 外務省は、漏えいした個人情報の悪用等の二次被害は現時点では確認されていないが、今後の悪用の可能性を警告しているソース9。
💡 分析・洞察
- 過去1年間の不正アクセスによる情報漏えい件数が日本の総人口の2倍を超える約2億6千万件に達していることは、国家全体におけるサイバーセキュリティ体制の脆弱性を露呈しており、国際社会からの信頼失墜に直結する。
- 脆弱性放置や委託先の監督不備、高度化するサイバー攻撃への対応遅延は、政府機関や重要インフラを含む国家の情報資産に対する恒常的な脅威を形成している。
⚠️ 課題・リスク
- 2億6千万件に及ぶ個人情報の漏えいは、国民の個人情報が広範に犯罪者に捕捉されていることを意味し、特殊詐欺、フィッシング、なりすまし等のサイバー犯罪が激増し、国民の財産と平穏な生活を直接的に脅かす治安悪化の要因となる。
- 行政機関からの情報漏えいは、外交上の機密性や国家安全保障に関わる情報へのアクセスを許す潜在的なリスクを抱え、国家の戦略的優位性および防衛能力を低下させる危険性がある。
- 企業や行政機関が情報漏えい対応に費やすコストは、事後対応、補償、信頼回復に多大なリソースを要求し、結果として国民負担増大や経済活動の停滞を招く。特に、中小企業のセキュリティ対策不備はサプライチェーン全体の脆弱性を形成し、経済基盤の安定性を揺るがす。
- 「漏えい等した個人データに係る本人の数が1,000人以下の事案が96.0%を占める」という統計は、個々の事案の規模が小さくても総体としては極めて深刻な漏えい総量となっている実態を示しており、表層的な対策では根本解決に至らない構造的な課題が存在する。
主な情報源: 個人情報保護委員会 / IPA 情報処理推進機構 / 朝日新聞 / 外務省

コメント