📊 事実
労災保険におけるあはき師の受任者払制度の変更
- あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師(あはき師)は、施術所が所属する地域を管轄する都道府県労働局長から指名を受けることで、労災保険の療養(補償)等給付たる療養の受任者払いが可能となる ソース1 。
- 指名の対象となる施術所は、あはき師法第9条の5及び施行規則第25条、第26条に掲げられた要件を具備する必要がある ソース1 ソース2 。
- 指名の期間は指名の日から起算して2年であり、期間満了の日の翌日において更に2年間順次更新される ソース1 ソース2 。
- 指名施術所の施術者が架空請求等の不正が認められた場合、または関係法令に違反した場合、指名の取消しが行われることがある ソース1 ソース2 。
- 令和8年3月26日に厚生労働省労働基準局長から都道府県労働局長宛に新たな通知が発表された ソース2 。
- この通知により、昭和57年5月11日付け基発第326号-2は廃止された ソース2 。
- 施術料金算定基準に関する協定を締結している団体の会員以外の施術者も受任者払を認められるようになった ソース2 。
- 受任者払を認める対象者は、施術料金算定基準に関する協定を締結している団体の会員、開設者である施術者、または開設者が選任した施術者である ソース2 。
労災保険給付の全体状況(2023年度)
- 2023年度の労災保険給付の新規受給者数は781,432人であり、前年度に比べ4,006人増加した ソース4 。
- 2023年度の過労死等の労災補償状況において、脳・心臓疾患の請求件数は1,023件、精神障害の請求件数は3,575件である ソース4 。
- 2023年度の労働基準監督機関による送検件数は799件である ソース4 。
- 2023年度には2,132企業の24,300人に対して約86億円の未払賃金立替払を行った ソース4 。
- 2023年度の労災保険法に基づく石綿による肺がん、中皮腫等の労災補償状況において、請求件数は1,305件である ソース4 。
関連する労働環境改善の動向
- 令和6年4月から医師の時間外・休日労働の上限規制が適用されている ソース5 。
- 令和6年4月から建設業の時間外労働上限規制が適用される ソース5 。
- 令和6年3月に貨物自動車運送事業の「標準的な運賃」が8%引き上げられた ソース5 。
- 2025年3月にカスタマーハラスメント対策を含む法律案が第217回通常国会に提出された ソース4 。
- 2024年11月1日から特定受託事業者が行う事業について新たに特別加入制度の対象となる ソース4 。
- 令和5年度から「こころの耳」におけるメンタルヘルス等の相談窓口の対象者が労災保険の特別加入者に拡大された ソース5 。
💡 分析・洞察
- 労災保険におけるあはき師の受任者払制度の改定は、施術料金算定基準に関する協定の有無にかかわらず受任者払を認めることで、施術者間の公平性を向上させ、被災労働者の施術選択肢を広げる可能性がある。
- 労災保険給付の新規受給者数が2023年度に78万人を超え、前年度比で増加していることは、労働災害の発生件数増加または労災認定基準の緩和・周知徹底による請求件数増加を示唆している。
- 脳・心臓疾患や精神障害の労災請求件数が高水準であることは、過重労働や職場環境に起因する健康問題が依然として深刻であり、労働者の健康維持が喫緊の課題であることを示している。
⚠️ 課題・リスク
- あはき師の受任者払制度の対象拡大は、不正請求のリスクを増大させる可能性があり、労災保険財政への不必要な支出増加を招くため、都道府県労働局による監視体制の強化と厳格な審査が不可欠である。
- 労災保険給付の新規受給者数増加は、保険財政への負担を増大させ、将来的な保険料率の引き上げや給付内容の見直しを余儀なくされる可能性があり、国民負担の増加に直結する。
- 労働基準監督機関による送検件数が2023年度に799件に留まっている現状は、労働基準法違反に対する取り締まりが十分でない可能性を示唆し、労働者の安全・健康確保に課題を残すとともに、企業コンプライアンスの低下を招くリスクがある。
- 医療、建設、運送業における時間外労働規制の適用や運賃引き上げは、企業側のコスト増大や人手不足の深刻化を招き、国内産業の競争力低下や経済活動の停滞に負の影響を与える可能性がある。
主な情報源: 警察庁 / 厚生労働省 / 人事院 / こども家庭庁

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