📊 事実
1. 不足職業リスト(SOL)および移民給与リスト(ISL)の見直し
- 2023年にイギリスの短期職業リスト(SOL)の大規模なレビューが移民諮問委員会によって実施され、職業の追加提案や将来に関する提案が含まれているソース1。
- イギリスの内務大臣は、IT、エンジニアリング、建設業、ホスピタリティ業における人材不足の原因分析と、移民制度の利用可能性に関するレビューを移民諮問委員会に委託した(IT・エンジニアリングは2024年8月、建設・ホスピタリティは時期不明)ソース2 ソース6。
- 移民給与リスト(ISL)の迅速なレビューが行われ、21の職業が新たにISLに追加されることが推奨されたソース3。
- この新しいISLは、スキル労働者ルートにおける適格職業の8%をカバーするが、従来のSOLに比べると小規模であるソース3。
- 移民諮問委員会は、2024年3月に内務大臣から依頼されたGraduate routeの迅速なレビューにおいて、現行の形で維持することを推奨しているソース10。
2. 移民人口と労働市場の状況
- 英国の外国出生者人口は、2001年の8.9%から2021年には16.8%に増加したソース4。
- 特にポーランド出身者は、2001年の58,000人から2021年には743,000人へと大幅に増加したソース4。
- 2004年以降に英国に到着した移民において、職業の格下げが顕著であり、初期の労働市場での改善はほとんど見られないソース4。
- 2019年のUK労働者のうち、A12国からの移民は約4.3%を占め、その48.3%が低賃金職に従事しているソース5。
- 最近の移民は年齢が若く、63.8%が30歳未満であるソース5。
- 最近の移民のうち、ルーチン職に従事する割合は51.3%に達し、最低賃金に近い賃金を得る移民の割合は、ルーチン職で28.7%に上昇しているソース9。
3. 関連政策・制度
💡 分析・洞察
- イギリスの移民政策は、経済の特定の分野における労働力不足に特化して対応しつつ、無秩序な低スキル労働者の流入を抑制することで、国内労働市場や社会インフラへの過度な負担を回避しようとしている。高スキル人材(Graduate route)の維持は、長期的な経済成長に必要な頭脳流出を防ぐ狙いがあると分析できる。
- 過去に移民の「職業の格下げ」が顕著であった事実は、移民の受け入れが国内の賃金水準や雇用構造に与える負の影響を政府が認識し、今後はより厳格なスキル基準と給与要件を重視することで、質の高い労働移民のみを誘致しようとする政策転換の兆候である。
⚠️ 課題・リスク
- イギリスが労働力不足を補うために特定の分野での移民受け入れを限定的に促進しつつも、過去に移民の「職業の格下げ」が顕著であった事実は、国内労働者の賃金水準を圧迫し、社会保障制度への潜在的負担を増大させるリスクがある。
- 若年層の移民が低賃金・ルーチン職に集中する傾向は、社会階層の固定化や貧困問題の深化を招きかねず、長期的には治安の悪化や社会統合の困難さを引き起こす可能性があり、日本が将来的に労働力不足を補うために移民を受け入れる際の治安維持上の大きな教訓となる。
- イギリスにおけるOECD平均を下回る雇用・解雇保護は、企業側が労働者を柔軟に調整できる一方で、移民労働者を低賃金で使い捨てにするインセンティブを与え、国民負担としての社会保障費用増大や、潜在的な人権問題を引き起こす可能性を内包する。
主な情報源: MAC(英国移民諮問委員会)

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