📊 事実
教員の長時間労働の現状と目標
- 令和4年度から新たな基本方針が施行され、令和6年度が最終年度であり、教員の時間外在校等時間を月45時間、年360時間に抑えることを100パーセント達成する目標が掲げられている ソース1 。
- 全国的に教員の長時間労働は依然として課題であり、本県(埼玉県)においても目標達成度が検証されている ソース1 。
- 教員の一日当たりの在校等時間は、小学校教諭が平日11時間23分、土日1時間12分、中学校教諭が平日11時間33分、土日3時間7分である ソース3 。
- 小学校教諭のうち、週あたりの総在校等時間が60時間以上の割合は14.2%、中学校教諭は36.6%である ソース3 。
- 令和4年11月時点で、月45時間を超える超過勤務の教員の割合は、小学校で36.1%(昨年度より12ポイント改善)、中学校で50.8%(昨年度より8ポイント改善)、高校で29.4%(昨年度より6ポイント改善)、特別支援学校で11.5%(昨年度より4ポイント改善)となっている ソース2 。
- 令和6年度の調査結果では、校長の月当たり時間外在校等時間が45時間を超過している割合は、小学校で23.6%、中学校で23.9%、高等学校で12.4%、特別支援学校で13.4%である ソース5 。
- 副校長・教頭の月当たり時間外在校等時間が45時間を超過している割合は、小学校で64.2%、中学校で64.7%、高等学校で39.7%、特別支援学校で48.9%であり、小学校・中学校では80時間を超過している割合が1割強となっている ソース5 。
- 教諭の月当たり時間外在校等時間が45時間を超過している割合は、小学校で24.8%、中学校で42.5%、高等学校で28.2%、特別支援学校で8.4%である ソース5 。
長時間労働の要因と影響
- 長時間労働の要因として、授業準備、部活動指導、事務作業、保護者対応が挙げられている ソース1 。
- 教員不足も在籍教員の負担増につながり、長時間労働の大きな要因となっている ソース1 。
- 一週間当たりの残業時間が40~59時間の小学校教員の3人に1人、中学校教員の4人に1人が、この2年ほどの間に「書類上の勤務時間数を少なく書き換えるように求められたことがある」と回答している ソース4 。
- 長時間労働のしわ寄せは子供に向かい、一週間当たりの残業時間が40~59時間の教員のうち、「いじめの早期発見ができているか不安」と答えたのは81.9%、「授業準備不足のまま授業に臨んでいる」とした回答者は70.1%に上る ソース4 。
- 公立学校共済組合の2016年度から2022年度までのストレスチェック結果では、高ストレス者と判定された教職員の割合は全体的に上昇傾向にある ソース5 。
- ストレス要因として「事務的な業務量」が最も高い割合で挙げられている ソース5 。
働き方改革の施策と進捗
- 文部科学省の事務次官通知(平成31年3月)に基づき、業務を「基本的には学校以外が担うべき業務」「学校の業務だが必ずしも教師が担う必要のない業務」「教師の業務だが、負担軽減が可能な業務」の3分類14項目に整理し、教員の業務負担軽減の方向性を明確化している ソース1 。
- 埼玉県では、教員業務支援員(スクール・サポート・スタッフ)の活用による事務作業の負担軽減や部活動指導員の配置による部活動の指導負担軽減を進めている ソース1 。
- 埼玉県では、昨年度から56校増やし、今年度は417校の小・中学校に教員業務支援員(スクール・サポート・スタッフ)を配置した ソース2 。
- 部活動の地域移行やICTの活用による業務の効率化、分業化も進められている ソース1 。
- 昨年11月、埼玉県は各市町村に対し、小・中学校における部活動の朝練習原則中止や学校行事の見直しを含めた教育活動の全般的な改善に係る通知を発出し、全市町村の教育長に直接要請も行った ソース2 。
- 教員の超過勤務が多い市町村や学校に対しては、県教育局の職員が直接訪問し、具体的な数値を示して原因分析と対応策を講じるよう働きかけを行っている ソース2 。
- 来年度(令和7年度)は、小学校における教員の授業の持ち時間数の縮減に向け、理科や算数などの教科を担当する専科教員の拡充や、新たに専科非常勤講師を配置する準備が進められている ソース2 。
- 令和6年度には、全国の教育委員会における「学校以外の主体が中心となった登下校時の対応」、「部活動への部活動指導員等の参画」、「授業準備における支援スタッフの参画」、「支援が必要な児童生徒等・家庭への対応に係る専門的な人材等の参画」の実施率が7割を超えている ソース5 。
- 令和7年6月11日に「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法等の一部を改正する法律(令和7年法律第68号)」が成立した ソース5 。
教員確保の施策と課題
- 全国的に教員不足が深刻化しており、埼玉県でも代替教員の補充が追いつかない現状が続いている ソース1 。
- 昨年、埼玉県内の中学校において代替教員の補充ができず、定期テストの実施が困難になったり、2週間にわたり自習が続いたとの報道があった ソース1 。
- 埼玉県は、ペーパーティーチャー(教員免許を持っているが教員として働いていない人)の活用や、小・中学校において今年度から希望する学校への非常勤講師の配置などの取組を進めている ソース1 。
- 文部科学省は、教員不足の解消と優秀な人材の確保を目的に、採用試験の早期実施を推進している ソース1 。
- 文部科学省が令和7年度概算要求に盛り込んだ教職員定数増加案は約7,700人である ソース3 。
- 教員の増員については、法令上の定数の制限があり、県単独での対応には限界がある ソース4 。
- 臨時的任用教員の採用試験での取扱いについて、試験勉強のための十分な時間を確保することが難しい場合もあると認識されている ソース4 。
勤務実態の把握
- 学校における働き方改革を進める上で、客観的な在校等時間の把握は必要不可欠なスタートラインである ソース5 。
- 「公立学校の教育職員の業務量の適切な管理その他教育職員の服務を監督する教育委員会が教育職員の健康及び福祉の確保を図るために講ずべき措置に関する指針」において、ICTの活用やタイムカードなどの客観的な方法による在校等時間の計測が求められている ソース5 。
- 埼玉県では全ての公立学校において、教員の出勤時刻と退勤時刻をICカードの打刻等により在校等時間を把握している ソース4 。
- 昨年度、埼玉県では県立学校では全校で、市町村立学校では全市町村から小・中学校1校ずつを抽出して、30分ごとの在校中の勤務内容及び持ち帰り仕事の内容や時間について調査を実施した ソース4 。
- 令和6年度の調査結果によると、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校のすべての学校種において、客観的な方法による在校等時間の把握が行われている ソース5 。
- 政令市を除く市区町村において、小学校及び中学校は99.0%、高等学校は97.6%、特別支援学校は98.0%の実施率となっている ソース5 。
- 令和元年度には、域内の学校で在校等時間の客観把握が行われている教育委員会の割合が48.2%であった ソース5 。
💡 分析・洞察
- 教員の長時間労働は依然として深刻な課題であり、特に中学校教諭や管理職(副校長・教頭)において、月45時間や週60時間を超える超過勤務の割合が高いことが示されている。
- 働き方改革の取り組みにより、一部の学校種で超過勤務の割合が改善傾向にあるものの、目標達成にはさらなる加速が必要と認識されている。
- 業務負担軽減策として、教員業務支援員や部活動指導員の配置、部活動の地域移行、ICT活用、専科教員の拡充などが進められており、全国的に支援スタッフの参画は7割を超えている。
- 教員不足は長時間労働の主要因の一つであり、ペーパーティーチャーの活用や非常勤講師の配置、採用試験の早期実施といった人材確保策が講じられている。
- 客観的な勤務時間把握の実施率は大幅に向上しており、働き方改革の「スタートライン」としての基盤が整いつつある。
- 教員の労働環境改善は、少子化に伴い不可欠であると認識されており、関連法案も成立していることから、国を挙げての取り組みが強化されている。
⚠️ 課題・リスク
- 教員の長時間労働は依然として目標達成には至っておらず、特に中学校教諭や副校長・教頭の超過勤務が顕著であり、教員の心身の健康に悪影響を及ぼすリスクがある。
- 長時間労働が「いじめの早期発見の不安」や「授業準備不足」といった形で児童生徒への教育の質に直接的な悪影響を与えている。
- 「書類上の勤務時間数を少なく書き換えるように求められた」という回答が一定数存在することから、客観的な勤務時間把握が進む一方で、実態と乖離した報告が行われる可能性や、教員が不当なプレッシャーにさらされるリスクがある。
- 教員不足が深刻化し、代替教員の補充が追いつかない状況は、既存教員の負担をさらに増大させ、教育活動の継続に支障をきたす可能性がある。
- 市町村立学校では予算の制約から働き方改革の対応にばらつきが生じる懸念があり、地域間の教育格差や教員の労働環境格差につながるリスクがある。
- 教員の増員については法令上の定数制限があり、県単独での対応には限界があるため、抜本的な解決には国の制度改正が必要となる。
- 臨時的任用教員が正規採用試験の勉強時間を確保しにくい現状は、優秀な人材の正規採用を阻害し、教員不足の長期化につながる可能性がある。
- ストレス要因として「事務的な業務量」が最も高い割合で挙げられており、業務削減策が十分な効果を発揮していない、あるいは新たな事務負担が生じている可能性がある。
主な情報源: 厚生労働省 / 埼玉県議会(議事録) / 参政党

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