日本の水循環白書に基づく水資源管理の現状と今後の動向は何か?

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📊 事実

水資源管理の政策と計画

  • 令和6年度の水循環施策が第217回国会に提出され、政府が講じた水循環に関する施策が報告された ソース2
  • 水循環基本法は平成26年7月に施行され、第13条により水循環基本計画の策定が義務付けられており、おおむね5年ごとに見直しを行うことが定められている ソース2
  • 令和6年8月30日に新たな水循環基本計画が閣議決定された ソース2 ソース3
  • 新たな水循環基本計画では、流域マネジメントによる水循環イノベーションが重点的に取り組む内容として挙げられている ソース2
  • 新たな水循環基本計画では、地下水の適正な保全及び利用に関する規定が追加され、国・地方公共団体の責務にその施策が含まれることが明確化された ソース2
  • 令和6年度において、代替性・多重性等による安定した水供給の確保が重点的に取り組む内容として挙げられている ソース2 ソース3
  • 令和6年度に水道行政が厚生労働省から国土交通省及び環境省に移管された ソース2
  • 水循環アドバイザー制度により、令和7年3月時点で14の地方公共団体への支援が実施された ソース3 。また、令和6年11月から令和7年3月にかけて、長期的水需給計画改訂、流域水循環計画策定、福島県地方水循環協議会での講演、水循環教育の発展、地下水保全、ため池の利活用・存廃等に関する助言が専門家によって行われた ソース1

地下水資源の利用と保全

  • 地下水は生活用水、工業用水、農業用水などの水資源として利用されており、消雪やエネルギー源としても利用されている ソース1
  • 地下水や湧水を保全・復活させる取り組みが行われており、観光振興や特産品に活用する動きも見られる ソース1
  • 地下水マネジメント推進プラットフォームが地域の地下水問題解決に向けた活動(研究会開催、相談窓口設置、先進事例情報提供など)を行っている ソース1
  • 地下水マネジメントを進める地域で観測・収集された地下水位、水質、採取量等のデータを相互活用するための地下水データベースが運用されている ソース1
  • 令和5年10月時点で、28都道府県、267市区町村の合計295の地方公共団体が地下水協議会等を設置している ソース1
  • 令和元年8月に内閣官房水循環政策本部事務局が発行した地下水マネジメントの手順書が活用されている ソース1
  • 災害時地下水利用ガイドラインが令和7年3月に策定され、地下水マネジメント推進プラットフォームのウェブサイトで公開された ソース1

水循環と国土の状況

  • 令和6年時点で日本の農地面積は約427万haで、国土面積の約11%を占める ソース1
  • 我が国の国土の約3分の2を森林が占めている ソース1
  • 令和6年度に、各地域の水循環に係る計画のうち10計画が流域水循環計画として公表され、令和7年3月時点で合計84計画となっている ソース3
  • 流域総合水管理は、流域のあらゆる関係者が協働し、「水災害による被害の最小化」、「水の恵みの最大化」、「水でつながる豊かな環境の最大化」を目指すものである ソース3

災害と水インフラの課題

  • 令和6年1月1日に発生した令和6年能登半島地震により、上下水道施設などのインフラが被災した ソース2
  • 令和5年6月の大雨・台風2号により甚大な浸水被害が発生し、国、県、6市1町が連携して中川・綾瀬川緊急流域治水プロジェクトが取りまとめられ、様々な取組が始動している ソース6
  • 埼玉県では、八ッ場ダムの完成により利根川上流のダム群の洪水調節容量が約1.5倍となり、令和元年東日本台風のような大雨でも甚大な被害が回避された ソース8 。また、利水面では渇水時の取水制限が軽減され、安定水利権が100%となった ソース8
  • 埼玉県では、大久保浄水場への高度浄水処理導入が令和4年度から令和10年度までの7年間で進められており、吉見浄水場でも令和6年度まで詳細設計が行われている ソース7 。これは、国の水質基準強化、水質事故多発、カビ臭物質検出日数増加、トリハロメタン濃度上昇など、河川水質の厳しさが増している状況に対応するためである ソース7
  • 埼玉県では、浄水場の維持管理費のうち動力費が前年度比87%増、薬品費が61%増と大幅に増加しており、特に特別高圧契約の電力料金は政府の低減支援策の対象外となっているため、国への要望が行われている ソース7

💡 分析・洞察

  • 日本の水資源管理は、水循環基本法水循環基本計画を基盤として、政策的・計画的に推進されていることが明確である。特に、令和6年度に新たな基本計画が閣議決定され、流域マネジメント地下水の適正な保全・利用が重点課題として位置づけられたことは、今後の水資源管理の方向性を示す重要な転換点と言える。
  • 地下水は多様な用途で利用される重要な水資源であり、その保全と持続可能な利用に向けた取り組みが全国的に強化されている。地下水マネジメント推進プラットフォーム地下水データベースの運用、地方公共団体での地下水協議会設置状況から、地域レベルでの具体的な活動が活発化していることが伺える。
  • 近年の自然災害の激甚化・頻発化は、水資源管理における喫緊の課題であり、治水対策の強化が不可欠となっている。能登半島地震によるインフラ被災や、中川・綾瀬川流域での緊急治水プロジェクト、八ッ場ダムによる治水・利水効果の事例は、災害に強い水インフラ整備の重要性を示している。
  • 水道行政の移管水循環アドバイザー制度の活用は、水資源管理における政府機関間の連携強化と専門的知見の導入を促進し、より実効性のある施策推進を目指す動きと解釈できる。
  • 浄水場の維持管理コストの増大、特に電力料金の高騰は、安定した水供給を維持する上での経済的課題となっており、高度浄水処理施設の導入と合わせて、持続可能な水道事業運営に向けた財政的支援や効率化が求められている。

⚠️ 課題・リスク

  • 気候変動による水災害の激甚化は今後も継続すると予想され、既存の治水対策だけでは対応しきれない可能性があり、より広範な流域総合水管理の推進が急務である。
  • 水道インフラの老朽化災害による被災は、安定した水供給を脅かす大きなリスクであり、計画的な更新・強靭化に加え、災害時の迅速な復旧体制の強化が不可欠である。
  • 浄水場の維持管理コストの増大、特にエネルギー価格の高騰は、水道料金の上昇につながり、住民の負担増大や水道事業の財政悪化を招く可能性がある。政府の支援策が特別高圧契約に適用されない現状は、大規模浄水場を抱える自治体にとって大きな課題である。
  • 地下水の利用拡大が進む一方で、その適正な保全が不十分な場合、枯渇や水質悪化のリスクが高まる。地域ごとの地下水協議会やデータベースの活用をさらに促進し、持続可能な利用を徹底する必要がある。
  • 水循環基本計画の見直しや新たな施策の導入は進んでいるものの、それらが全国の多様な地域特性に合わせた形で、いかに実効性のある施策として展開されるかが課題となる。特に、地方公共団体への専門的助言の継続的な提供が重要である。

主な情報源: 八潮市議会(議事録) / 埼玉県議会(議事録) / 内閣官房 / 環境省 / 水産庁 / 国土交通省

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