📊 事実
政策枠組みと国内目標の策定
- 2022年12月のCOP15で採択された「昆明・モントリオール生物多様性枠組」を受け、2030年までのミッションとしてネイチャーポジティブ(自然再興)の考え方が反映された ソース7 ソース9 。
- 2023年3月、2030年までのネイチャーポジティブ実現を掲げた「生物多様性国家戦略2023-2030」が策定された ソース7 ソース9 。
- 2024年5月には「地域における生物の多様性の増進のための活動の促進等に関する法律」が成立し、2025年4月に施行される予定である ソース9 。
基礎調査とモニタリングの進展
- 1999年に開始された1/25,000現存植生図の整備が2023年度に完了し、2024年度に全国版の公開が完了する予定である ソース1 。
- 2023年3月、今後10年間の調査計画を定めた「自然環境保全基礎調査マスタープラン」が策定された ソース1 。
- 全国約1,000か所の定点調査を行う「モニタリングサイト1000」の第4期とりまとめ報告書概要版が2024年度に公表される予定である ソース1 。
- 2024年12月時点で、生物多様性データ収集システム「いきものログ」には約535万件のデータが蓄積されている ソース1 。
保護地域と「30by30」目標の現状
- 2030年までに陸と海の30%以上を保全する「30by30目標」に向け、2024年8月時点で陸地の約20.6〜20.8%、海洋の約13.3%が保護地域に指定されている ソース9 ソース10 。
- 2024年6月、35か所目の国立公園として「日高山脈襟裳十勝国立公園」が新たに指定された ソース9 ソース10 。
- 2023年度から開始された「自然共生サイト」の認定制度により、2025年3月末時点で328か所(約9.3万ha)が認定されている ソース9 ソース10 。
具体的な保全成果と課題
- 奄美大島では特定外来生物マングースの防除が進み、2024年9月に根絶が宣言された ソース9 。
- 小笠原諸島では外来種アカギの駆除が行われているが、繁殖力が強く在来植生の回復には多大な労力を要している ソース2 。
- 「生物多様性及び生態系サービスの総合評価2021(JBO3)」によれば、日本の生物多様性は過去50年間損失し続けている ソース9 。
💡 分析・洞察
- ネイチャーポジティブの実現に向け、従来の「保護」だけでなく、失われた自然を「反転・回復」させるフェーズへと政策が移行している。
- 自然共生サイトの認定急増に見られるように、国立公園等の公的な保護区以外(OECM)を活用した民間・地域主導の保全活動が、目標達成の鍵となっている。
- いきものログや市民参加型調査の拡大により、デジタル技術と市民の力を融合させた広域的なモニタリング体制が強化されている。
⚠️ 課題・リスク
- JBO3の評価が示す通り、過去50年にわたる長期的な損失傾向を食い止めるには、依然として多大な努力が必要である。
- 気候変動によるタケ類の北上や、繁殖力の強い外来種の定着など、不可逆的な生態系変化のリスクが継続している。
- 里山林における人による働き掛けの縮小(第2の危機)により、特有の生物多様性が損なわれる懸念があり、持続的な林業経営や地域活動との連携が不可欠である。
主な情報源: 環境省 / 国土交通省 / 林野庁

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