保活、いったい何が大変?最新調査で判明した「心と体のストレス」と乗り切るヒント

「保活は本当に大変…」。この声は、多くの先輩ママ・パパから聞かれますが、具体的に何がそんなに大変なのでしょうか?そして、その「大変さ」は年々どう変化しているのでしょうか?

今回は、2024年に保活を経験した保護者329人を対象とした最新の調査結果を基に、保活の「大変さ」の正体に迫ります。心身のストレスの実態や、最も負担に感じるポイント、そして先輩保護者からの具体的なアドバイスまで、これから保活を始める皆さんが少しでも安心して臨めるよう、具体的なヒントをお届けします。


保活の中心は「ママ」?その実態と負担の偏り

まず、保活を主に誰が行っているかという質問に対し、2024年に保活を経験した保護者の97.3%が「ほとんど母親」または「母親が多め」と回答しました。

育児や仕事の分担が進む現代においても、保活においては依然として母親に大きな負担が偏っている実態が明らかになりました。共働き世帯が増える中で、この負担の偏りは、保活そのものの困難さをさらに増幅させていると言えるでしょう。


7割以上が「大変」と実感!増え続ける保活ストレス

保活は大変だったか、という質問に対し、2024年に保活を経験した保護者の約7割が「大変だった」と回答しました。さらに注目すべきは、2024年には8割以上(82.4%)の保護者が「心」「体」「心と体」のいずれかで、保活中に普段と比べてストレスが増えたと実感している点です。これは2023年の調査結果(65.5%)と比較して大幅に増加しており、特に「心のストレス」の増加が顕著であることが判明しました。

保活時期は、子どもの成長や発達、自身の職場復帰、そして家族の今後の生活設計など、多くのことを同時に考える必要があります。このような状況が、精神的な不安定さを引き起こしやすいと推測されます。


保活の何が大変だった?保護者の声から見える「3つの壁」

保活で最もストレスだったこと、大変だったこととして、以下の3つが上位を占めました。

  1. 子供を抱えての外出(園見学、説明会、役所周りなど)
  2. 書類の準備・提出
  3. 園の情報収集

これらの「壁」に、多くの保護者が直面していることがわかります。

1. 「子供を抱えての外出」が最大の壁に!その具体的な大変さとは?

2024年の調査で最も大変だったことの1位は、なんと46.2%が「園見学、説明会、役所周り等の子供を抱えての外出」と回答。これは2023年の39.8%から増加しており、行動制限がなくなったことでオフラインでの園見学が再開し、複数園の見学を積極的に行う方が増えたことが一因と考えられます。

【保護者の声】

  • 妊娠後期の重たいお腹、0歳児を抱っこしての園見学は想像以上に大変だった。もっとはやく園見学しておけばよかったと後悔しました。
  • 小さい赤ちゃんを連れての外出や調べ物がかなり大変なので、市のファミリーサポート等の育児支援サービスの利用も良いと思います。
  • もうすぐ2歳の娘を連れてやむを得ず外出しなければならない…自分で歩けるけど気分によって抱っこが必要…、と言うときにとても重宝していました。
  • 子供が夏生まれで、暑い時期に保活したので、扇風機、帽子など必須でした。車で移動するにも、チャイルドシートで大汗をかいているので、ファン付きシートを購入しました。
  • 雨の日移動のストレスは大変でした。月齢12ヶ月頃は少し歩けるようになって自分で歩きたい時期。けど、距離歩けないので途中から抱っこ。親は荷物、傘もあるので、ヒップバック購入検討になりました。

大きなお腹を抱えての移動や、まだ首のすわらない赤ちゃん、動き回りたい盛りの子どもを連れての外出は、親にとって体力的にも精神的にも大きな負担です。予約の電話が繋がりにくかったり、見学できる曜日や時間が限られていたりすることも、この負担をさらに大きくしています。

2. 未だに根強い「書類の準備・提出」の壁

2位は「書類の準備・提出」で、20.1%の保護者が大変だったと回答しています。こちらは2023年の調査(26.9%)から減少傾向にあり、自治体でのDX化(デジタル化)が進んでいることもあり、改善の兆しが見られます。しかし、それでもなお多くの親が苦労する点であることに変わりはありません。

【保護者の声】

  • 入園申込時に必要な書類が多いし、自分で書くもの、自分と夫、それぞれの会社に依頼するものなどの分類が分かりづらくて、準備するのにかなり時間がかかった
  • 私の自治体では、郵送での受け付けをしていなかったので、赤ちゃんを連れて役所に行くしかなく、大変だった。ベビーカーでバスに乗るのが不安で抱っこ紐で行ったこともあり、役所で順番待ちをしたり、説明を聞く間もずっと抱っこだったので……。

必要な書類の多さ、複雑な分類、そしてオンライン提出が進んでいない自治体では、子連れで役所へ足を運ぶ必要があるなど、まだまだ手間がかかるのが現状です。

3. アナログ&バラバラ!「園の情報収集」の壁

園の情報収集」も、多くの保護者が苦戦するポイントです。自治体のウェブサイトや各園のホームページ、電話問い合わせ、さらには貼り紙など、情報源が多岐にわたり、一元的にまとまっていないことが大きな課題です。

【保護者の声】

  • 自治体のホームページを見てもどこにどんな情報があるのかが分かりづらく、調べるのが大変だった。ようやくリストを見つけても、引っ越してきたばかりで土地勘がなく、住所から園の場所がわからず、一件ずつ検索して探すことに……
  • 保育園によってホームページに知りたい情報がでている園とでていない園があり、電話で問い合わせないといけない場合もあった。延長保育の時間や料金は園によって違うのに、書いていない保育園もあるということにギリギリに気づいてかなり慌てました。

必要な情報がなかなか見つからず、何度も同じ園の情報を確認し直す手間が発生することも。早めに情報収集を開始し、チェックリストなどを使って効率的に進める工夫が求められます。


4人に1人が「相談しない」保活中の孤独

保活中のストレスや悩みを、周囲(家族、友人、自治体など)にどの程度相談しているかという質問に対し、約4人に1人(27.4%)の保護者が「あまり相談しない」「どちらとも言えない」と回答しました。これは2023年の調査でも同様の傾向が見られており、多くの親が保活の悩みを一人で抱え込んでいる可能性があることを示唆しています。

保活は心身ともに大きな負担がかかるからこそ、周りに相談し、支えを求めることが非常に重要です。


先輩(保活経験者)からのメッセージ&役立つアイテム

多くの困難を乗り越えてきた先輩ママ・パパたちからは、これから保活を始める方への具体的なアドバイスが寄せられています。

「『なんとかなるだろう』とギリギリになって保活を始めました。妊娠後期だと思うように園見学などもできなかったりするのでもう少し余裕を持ってできていればよかったなと思うことがあります。

今は情報収集できるサイトなども以前に比べると充実してきている印象もあり、色々なものを使いこなしながら余裕を持ってはじめることをおすすめします!」

(世田谷区在住・1児のママ)

見学など行く時は、両手が離せる抱っこ紐や抱っこ紐型のヒップシート、A4サイズの資料などが入り、持ち運びが楽、かつ、子どもを抱っこしていても軽く感じるリュック、子どもが話を聞く時に退屈しないストラップ付きのおもちゃ、簡易的に自分の膝の上に椅子のようにのれ、両手を離しやすいチェアベルトが便利でした。

A4サイズの資料をもらうことが多いので大きめバックがあるといいです。折りたためるスリッパがあればよかったなと思います。保育園に赤ちゃんを連れて行くのでベビーアルコールはマストです!

小さい赤ちゃんを連れての外出や調べ物がかなり大変なので、市のファミリーサポート等の育児支援サービスの利用も良いと思います。また、赤ちゃんがよく寝てくれればその間調べ物ができるので、抱っこ布団や抱っこ紐などのぐずり防止、寝かしつけアイテムは重宝しています。

ストレスになるのは正直、希望の園に入れないかもしれない、というところがメインだったので、アイテムどうの、というよりは、保育園の質をあげたり、希望の保育園に入れるようにしたりと行政にお願いしたいことが多かったです。

特に「両手が空く抱っこ紐やヒップシート」「大きめのリュックやバッグ」「扇風機や帽子などの暑さ対策グッズ」「折りたためるスリッパ」など、外出時の負担を軽減するアイテムが役立ったという声が多く寄せられました。


まとめ:情報を集め、頼れるものを見つけ、心に余裕を

「保活で大変だったこと」について、最新の調査結果と経験者のリアルな声と共にお届けしました。

保活は、心身ともに大きな負担がかかる道のりです。特に「子供を抱えての外出」は多くの親にとって最大のストレス要因となっています。そして、その負担が母親に偏りがちな現状も浮き彫りになりました。

しかし、先輩たちの知恵や役立つアイテム、そして何よりも「一人で抱え込まずに相談する」という姿勢が、保活を乗り切るための大きな力になります。

この記事が、これから保活を始める皆さんの不安を少しでも和らげ、よりスムーズな保活への一助となれば幸いです。

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