倉重 英樹さん「恥をかけ、汗をかけ、絵をかけ」

第5回 「恥をかけ、汗をかけ、絵をかけ」、プロフェッショナルは“かき続ける”

コンサルティング会社シグマクシスの倉重英樹CEOは、プロフェッショナルに求められる資質として「人と関わることが好き」であることと「地頭が良い」ことを挙げ、さらに自身の提唱する「3つの“かく”」として「恥をかけ」「汗をかけ」「絵をかけ」を説明しています。


プロフェッショナルに不可欠な資質

倉重氏は、顧客やビジネスパートナーとの関係構築が重要となるコンサルティングの仕事において、以下の2点が基本中の基本であると述べています。

  • 人と関わることが好きであること: 人への好奇心や、関係性を築くことに興味を持つことが必須です。
  • 地頭が良いこと: 「一を聞いて十を知る力」として、状況を素早く読み取り、必要な情報を整理・調達し、短時間で的確な答えを導き出す機転と回転の良さを指します。

3つの「かく」:プロフェッショナルとしての成長を促す行動指針

倉重氏は、新入社員にも繰り返し伝えているという、プロフェッショナルとして継続してほしい3つの「かく」を提示しています。

  • 恥をかけ(恥をかくことを恐れるな): 分からないことを素直に「教えてください」と尋ねる勇気を持つことが重要です。「分かったふり」はチームワークを阻害し、顧客との協業も困難にします。
  • 汗をかけ(現場に行け): 書籍やレポートなどの「整理された情報」だけでなく、ビジネスの真実が息づく「現場の情報」を得るために、実際に現場に足を運び、肌で感じることが不可欠です。顧客と同じ経験を共有することで、深い理解と価値創造が可能になります。
  • 絵をかけ(物事の全体像を捉え、構造化して表現する): 複雑な物事を整理し、分かりやすく伝えるために「絵」を描くことが有効です。これは、物事を部分的にではなく全体像を把握し、要素に分解し、構造化して表現する力を意味します。

分かりやすいプレゼンテーションの極意

「絵をかけ」の考え方はプレゼンテーションにも通じるとし、倉重氏は分かりやすいプレゼンテーションのポイントを以下のように強調しています。

  • 明確なキーメッセージと構図: プレゼンテーション全体で伝えたい核となるメッセージを明確にし、アジェンダから最後のスライドまでの一貫したシナリオが重要です。
  • シンプルでクリスプな表現: 各チャートのメッセージはシンプルかつ分かりやすくあるべきです。情報量が多いからといって良いプレゼンテーションとは限らず、いかにシンプルに構成できるかが腕の見せ所であり、そのシンプルさからいかに訴求力のあるプレゼンテーションを展開できるかがプロフェッショナルの本質であると述べています。

倉重氏は、これら「3つの“かく”」がコンサルタントだけでなく、他の職種にも共通する重要な姿勢であると締めくくっています。

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