八潮市議会議員・鈴木貞夫氏のブログ投稿は公職選挙法に違反するのか?

※ご本人にブログ記事を削除される可能性があるため、証拠のスクリーンショットを保全しています。

2025年9月7日に投開票が予定されている八潮市議会議員選挙に向け、現職の八潮市議会議員である鈴木貞夫氏が、2025年5月18日のブログで以下のような投稿を行いました。

9月7日投開票となる八潮市議会議員選挙に向けての準備が少しづつ進んでいきます。

たくさんの支援者の皆さまや家族の協力がどうしても必要です。

感謝の気持ちでいっぱいです。

この投稿は、公職選挙法において禁止されている「事前運動」に該当するのでしょうか?以下、関連する法規や過去の事例をもとに、法律上の観点から検討していきます。


1. 公職選挙法における「事前運動」とは?

公職選挙法では、選挙の公正性と候補者間の平等を守るため、選挙運動の開始時期や方法を厳格に規制しています。特に重要なのが「告示日より前の選挙運動の禁止」です。

法律では、告示日前に、特定の選挙に向けた投票依頼や当選を目的とした行為を「事前運動」と定義し、禁止しています(第129条)。具体的には、以下のような行為が違反とされる可能性があります:

  • 選挙名や投開票日を明示する
  • 支援者や有権者に対して協力や支持を求める
  • 選挙準備の進捗などを公に発信する

このルールは、たとえ媒体が紙ではなくインターネット上であっても同様に適用されます。


2. 鈴木氏のブログ投稿を分解して分析

投稿の中で問題となりうる文言をピックアップし、事前運動に該当するかどうかを検討します。

「9月7日投開票となる八潮市議会議員選挙に向けての準備が…」

選挙名と投開票日を明示しており、選挙への出馬とその準備を明言しています。これは、選挙への意欲や当選を目指す姿勢を示すもので、選挙運動の予備的行為と見なされる可能性が高いです。

「支援者や家族の協力がどうしても必要です」

「協力が必要」という表現は、実質的な支持依頼とみなされる恐れがあります。特に不特定多数が閲覧可能なブログ上で発信された場合、法的リスクは高まります。

「感謝の気持ちでいっぱいです」

→ 感謝の表現そのものは問題になりにくいものの、選挙準備に絡めて発信した場合には、支持強化の文脈として事前運動とみなされる可能性があります。


3. 過去の事例との比較

以下のような過去の判例・事例があります:

  • 候補予定者が懇親会で「大事な選挙があります。私も出る予定です」と発言し、投票を暗に促したとして違反認定
  • 新聞の折込広告に「次期衆院選の公認候補」と記載し、写真と名前を掲載したケースも違反認定

今回のブログ投稿も、選挙名を明示し、支援の必要性に言及しており、上記の事例に類似していると考えられます。


4. インターネット上の発信と公職選挙法の関係

ブログなどインターネット上の発信は、拡散性が高く影響力も大きいため、選挙運動とみなされやすい傾向があります。

総務省のガイドライン(「インターネット等を利用する方法による選挙運動」)では、「告示日前は、WebサイトやSNSなどで選挙に関する発信を控えるべき」と明記されています。

ただし、選挙とは直接関係のない一般的な政治活動(政策論など)は認められています。今回のように「選挙の準備」「支援者の協力」という選挙直結の内容は、グレーではなく黒寄りの判断となる可能性が高いです。


5. 違反とされた場合のリスク

仮に今回の投稿が事前運動と認定された場合、以下のような処分が科される可能性があります。

  • 1年以下の禁錮または30万円以下の罰金(公選法239条1項1号)
  • 選挙権および被選挙権の停止(同法252条1項・2項)
  • 候補者としての信頼の失墜・社会的非難

また、違反の疑いがある場合には、選挙管理委員会や警察による調査が行われることがあります。


6. 総合評価とアドバイス

🔍 総合的な判断基準に照らした評価

判断基準内容今回の投稿との関係
内容選挙名、支援要請など含まれるか八潮市議選と投開票日を明記、支援要請あり
時期告示前か告示前の発信である
対象一般有権者へ広く届くかブログ上で公開、広範囲に閲覧可能
実績通常の政治活動の一環か選挙特有の文脈、政治活動とは言い難い

以上の点から判断すると、今回のブログ投稿は、公職選挙法における「事前運動」に該当する可能性が非常に高いと考えられます。


7. 今後の候補者への提言

選挙に向けての情報発信は、選挙運動の開始時期を正しく理解したうえで行う必要があります。特にSNSやブログなど、誰でも閲覧できるプラットフォームを利用する際には、以下の点に注意しましょう:

  • 告示日前の投稿では、選挙名・日付・支援要請などの文言は控える
  • 発信前に、選挙管理委員会や法務専門家に相談する
  • 「政治活動」と「選挙運動」の違いを十分に理解する

候補者や関係者の慎重な行動が、選挙の公正性と自らの信用を守る鍵となります。

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