1. のぼり旗の使用に関する基本的な考え方
公職選挙法では、選挙運動期間中に使用できるポスターや看板など、いわゆる文書図画(ぶんしょとが)には制限があり、のぼり旗もこれに該当します。特に、候補者の氏名や顔写真を記載したのぼり旗の使用は、原則として禁止されています。
2. 自治体別の具体的な規定
各自治体の規定を以下にまとめます。
北九州市
- 政治活動用ののぼり旗(2連のぼり):政党等の政治活動用として使用される2連のぼりは、告示日まで使用可能です。ただし、候補者個人の氏名や顔写真を記載したのぼり旗の使用は認められていません。 city.kitakyushu.lg.jp
添田町(福岡県)
- 選挙事務所の表示:選挙事務所には、ポスター、立札、看板の類を通じて3個以内(縦350cm、横100cm以内)の表示が認められています。のぼり旗に関する具体的な記載はありませんが、一般的に選挙事務所の表示物としてのぼり旗を使用する場合は、これらの規定内で行う必要があります。 town.soeda.fukuoka.jp
八千代市(千葉県)
- 政治活動用文書図画の規制:平常時の個人の政治活動に使用する文書図画(ポスターや看板、のぼりなど)には、候補者の氏名や顔写真を記載したものは、一定の条件を除き掲示できません。選挙期間中ののぼり旗の使用に関する具体的な記載はありませんが、一般的な規制として理解されます。 city.yachiyo.lg.jp
京都市
- 政治活動用文書図画の規制:平常時における個人の政治活動用のぼり旗の使用には制限があります。選挙期間中ののぼり旗の使用に関する具体的な記載は見当たりませんが、一般的な規制として理解されます。 city.kyoto.lg.jp
3. のぼり旗使用時の注意点
- 公共物への取り付け禁止:のぼり旗を公共の建物や施設、電柱、街路樹などに取り付けることは、多くの自治体で禁止されています。例えば、オーストラリアの事例では、選挙看板を自転車に取り付けて公共の場所に設置する行為が問題視されています。 heraldsun.com.au
- サイズや設置場所の制限:自治体によっては、のぼり旗のサイズや設置場所に関する詳細な規定がある場合があります。事前に各自治体の選挙管理委員会に確認することが重要です。
4. 選挙期間中にのぼり旗を使用できるケース
のぼり旗の使用について、各自治体の選挙管理委員会が具体的に明記していない場合でも、公職選挙法の 「文書図画の掲示制限(第143条)」 の規定が適用されるため、 「候補者名や顔写真を含むのぼり旗の使用は原則として禁止」 と解釈されます。
ただし、以下のような 例外的に使用できるケース もあります。
✅ 候補者名や顔写真を含まない「政党名」「スローガン」のみののぼり旗
- 例:「○○党」「政策で未来を変える」「清潔な政治を」などのキャッチフレーズ
- 政党や後援団体が設置する場合は許可されることが多い
✅ 街頭演説の告知用のぼり旗
- 「本日〇時より 街頭演説会」
- ただし、のぼり旗ではなく「立て看板」の形で設置することが推奨される場合がある
✅ 選挙事務所の敷地内での使用
- 選挙事務所の敷地内で、一定の条件のもとでのぼり旗を掲示することが可能
- 例:「○○事務所」「選挙運動本部」などの表記はOK
5. のぼり旗の使用が禁止されるケース
🚫 候補者の名前・顔写真が入ったのぼり旗
- これは 「選挙運動のための文書図画の掲示」とみなされ、公職選挙法143条違反となる
🚫 公共物や道路上での掲示
- 電柱、街路樹、公園、駅前広場などにのぼり旗を設置することは禁止
🚫 選挙カーにのぼり旗を設置
- のぼり旗の形状によっては、「追加の文書図画の掲示」と見なされるため、認められないことが多い
6. 結論
- のぼり旗は、候補者名や顔写真を含まなければ使える場合が多い
- 街頭演説や選挙事務所の敷地内では、一定条件のもとで使用可能
- 公共の場所(電柱や道路上など)に設置するのは禁止
- 具体的なルールは自治体ごとに異なるため、事前に選挙管理委員会に確認するのが確実
正確な情報については、該当する自治体の選挙管理委員会に直接問い合わせる必要があります。
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