📊 事実
BRICSの拡大と目標
- BRICSは、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの5カ国から成り、2026年にはエジプト、エチオピア、インドネシア、イラン、アラブ首長国連邦を加えた10カ国に拡大したソース4。
- BRICSは20周年を迎え、2024年には30カ国以上がBRICSへの参加に関心を示しているソース4 ソース10。
- BRICSは、エネルギー安全保障を経済安全保障と位置付けており、重要鉱物供給チェーンにおいて抽出から付加価値の創出へ、また技術移転から技術共同開発へ移行する必要があるとしているソース1。
- BRICSサミットは2026年9月11日から13日に開催される予定であるソース1。
新開発銀行(NDB)の役割と気候ファイナンス
- 新開発銀行は2015年に設立され、上海に本部を置く多国間金融機関であるソース4。
- 新開発銀行は、2022年から2026年の戦略において、全プロジェクト承認の40%を気候緩和および適応プロジェクトに配分することを目指しているソース4 ソース6。
- 2030年までに新興市場および発展途上国は年間1兆ドルの追加気候ファイナンスが必要とされており、これが気候ファイナンスのボトルネックとなっているソース4。
- 2024年に多国間開発銀行(MDB)の気候金融コミットメントは低・中所得国に対して851.20億米ドル、高所得国に対して514.89億米ドルであり、総額1370億米ドルに達し前年より10%増加したソース8。
- 新開発銀行は2022-2026年の戦略に基づき、融資の30%を非主権的なプロジェクトに向けることを約束しており、2025年12月31日時点で2351百万米ドルの資金を承認したソース5 ソース8。
- 新開発銀行は、政治的および規制リスクをカバーする投資保証機関(NIGA)の設立や、特定のセクターに焦点を当てたJust Energy Transition Partnershipsの推進を検討しているソース6。
- 新開発銀行は、デジタルファーストの開発銀行として進化し、AIを活用した運営を行う予定であるソース6。
- 新開発銀行は、2026年までに2500億米ドルの気候投資を動員することを目指すUAEのAlterraファンドと提携する可能性があるソース7。
エネルギー源と技術開発
- 2025年6月12日に世界銀行が核エネルギーへの資金提供禁止を終了し、2025年11月26日にアジア開発銀行が発展途上国への核エネルギー資金提供を開始したソース2。
- 新開発銀行は、2025年にインドで施行されるSHANTI法に基づき、核エネルギーへの投資拡大を検討しているソース7。
- 新開発銀行は、カーボンキャプチャー技術の導入を支援し、石炭の使用削減を目指しているソース7。
- 中国は2023年6月2日にアジア最大の炭素捕集プロジェクトを発表し、2024年9月4日には初の1万トン低圧吸着型炭素捕集プロジェクトの建設を開始したソース2。
- 中国の太州火力発電所は年間50万トンの二酸化炭素を捕集する能力を持つソース7。
- インドの2026-27年度予算はエネルギー貯蔵のコストと資金改革を進めることになっているソース10。
インドのエネルギー状況と戦略
- インドの2024-25年度の原油輸入依存度は89%、天然ガスは50%であるソース3。
- インドは2024-25年度にロシアからの原油輸入が35%に増加したが、2025年にアメリカはインドのロシア産原油に25%の追加関税を発表したソース3。
- インドは新開発銀行に対し、エネルギー転換プロジェクト準備および保証施設の設立を提案する可能性があるソース1。
- インドは2026年時点で世界の船舶価値の0.8%を所有し世界26位であり、437隻の船舶を24億ドルで取得する計画を発表しているソース3。
- 2023年6月、インドとオーストラリアはクリティカルミネラルに関する貿易、投資、研究開発の機会を探るための覚書を締結したソース9。
- オーストラリアは、世界最大のルチル、ジルコニウム、タンタルの資源を有し、リチウムの世界最大の生産国であるソース9。
💡 分析・洞察
- インドは、89%の原油輸入依存度という脆弱性を抱えながら、BRICS議長国としてエネルギー安全保障を経済安全保障の核心と位置付け、地政学的に多様な供給源の確保(例:ロシアからの原油輸入増)と自律的な金融・技術基盤の構築(例:新開発銀行を通じたグリーンファイナンスと技術共同開発)を戦略の柱としているソース1 ソース3。
- 新開発銀行が核エネルギーやカーボンキャプチャー技術への投資を模索し、AI活用や投資保証機関の設立を推進する方針は、BRICS諸国がエネルギー転換を現実的な安定供給と経済成長の両立として捉え、既存の国際開発金融機関とは異なるアプローチで投資リスクの低減と資金動員力の強化を図ろうとしていることを示すソース6 ソース7。
- インドとオーストラリアがクリティカルミネラルに関する協力を深化させている事実は、BRICS内部の協力強化だけでなく、特定の重要資源分野においては他国との二国間連携も活用することで、より多角的なサプライチェーンのレジリエンス構築を目指している戦略的柔軟性を裏付けているソース9。
⚠️ 課題・リスク
- インドがロシア産原油の輸入を増やすことで直面するアメリカからの25%の追加関税は、供給コストの増大を通じてインドの燃料価格に直接的な影響を与え、ひいてはBRICS圏全体のエネルギー市場の価格不安定性を助長し、日本を含む他国のエネルギー調達コストにも間接的に波及する可能性があるソース3。
- BRICS諸国が重要鉱物供給チェーンの「抽出から付加価値の創出へ」移行し、「技術移転から技術共同開発へ」進む方針は、既存のグローバルサプライチェーンにおける日本の技術的優位性や資源アクセスに競合圧力をもたらし、特にレアアースや蓄電池関連の安定供給に影響を与える懸念があるソース1。
- 新開発銀行が目指す年間1兆ドルの追加気候ファイナンス需要に対し、実際の資金動員力が不足した場合、BRICS圏内のエネルギー転換プロジェクトの進捗が滞り、中長期的なエネルギー供給能力の低下や国際的なエネルギー市場の需給バランス悪化を通じて、日本の経済安全保障にも負の影響を及ぼす可能性があるソース4。
主な情報源: ORF(オブザーバー・リサーチ財団)

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