📊 事実
制度の概要と審査方針
- 令和6年法律第70号に基づき、旧優生保護法に基づく補償金等の支給に関する人工妊娠中絶一時金認定審査部会が設置されているソース1 ソース4 ソース7 ソース9。
- 令和8年4月1日現在、審査部会は弁護士である相澤哲(元東京高等裁判所判事)、荒井和子(埼玉県東松山保健所長)、岩崎香(早稲田大学人間科学学術院教授)を含む8名の委員で構成されているソース8。
- 審査方針では、請求者に係る人工妊娠中絶の実施に関する記録が残っていない場合でも支給対象とし、旧優生保護法に基づかない形での人工妊娠中絶を受けた者も一時金の支給対象となるソース1 ソース4 ソース7 ソース9。
- 判断基準は、請求者等の陳述内容が当時の社会状況や請求者の置かれていた状況から見て「明らかに不合理ではなく、一応確からしいこと」とされているソース1 ソース4 ソース7 ソース9。
- 審査部会の会議は請求事案の審査を議題とし、当事者または第三者の権利や公共の利益を害するおそれがあるため非公開で行われるソース5。
審査の進捗と結果
- 令和8年4月21日に開催された第14回部会では、審査件数8件中2件が認定され、4件が否認、2件が保留とされたソース6。
- 令和8年5月22日の第15回部会では、審査件数7件中2件が認定された。認定件数の年齢階級別内訳は50歳代2件、60歳代2件、70歳代1件であり、都道府県別では北海道1件、高知県1件、兵庫県1件、長野県1件、埼玉県1件が含まれるソース2。
- 令和8年6月23日の第16回部会では、審査件数9件中5件が認定され、2件が否認、2件が保留とされた。認定件数の年齢階級別内訳は50歳代1件、70歳代1件、80歳代3件であるソース3。
- 令和8年7月24日の第17回部会では、審査件数9件中5件が認定され、3件が否認、1件が保留とされた。認定件数の年齢階級別内訳は60歳代1件、70歳代1件、80歳代3件であるソース10。
- 令和8年8月28日には第18回部会がオンライン形式で非公開開催され、請求事案の審査が議題となるソース5。
💡 分析・洞察
- 記録が残存しない場合でも請求者の陳述を重視し、旧優生保護法に基づかないケースも対象とする柔軟な審査方針は、長年の救済機会を逸していた被害者への現実的な配慮であり、国家として過去の制度的瑕疵を是正しようとする強い意図を示す。
- 審査部会による案件の着実な処理と一定の認定率は、国家が旧優生保護法による過去の過ちへの責任を具体的に果たそうとしている姿勢を示し、国内の法秩序に対する国民の信頼回復に寄与する。
- 審査委員に弁護士や公衆衛生の専門家が名を連ねていることは、司法の専門性と公衆衛生の視点から客観的かつ公正な判断を下そうとする体制を構築している。
⚠️ 課題・リスク
- 審査基準の「明らかに不合理ではなく、一応確からしいこと」という抽象的な表現は、審査委員の主観に左右される可能性を排除できず、認定・否認の判断における公平性や客観性に対する疑念を招くリスクがある。
- 会議が非公開で行われることは、当事者のプライバシー保護のためであると説明されているものの、審査プロセスの透明性が十分に確保されないため、国民からの信頼を長期的に維持する上で課題となり得る。
- 現時点での認定件数は各回で数件に留まっており、被害実態の広範さを考慮すると、補償が行き届かない被害者が多数残る可能性があり、被害者間の不公平感や新たな社会的不満を醸成する懸念が残る。
- この一時金制度は過去の特定事案に対する補償であり、現代の「女性の健康政策」が直面する少子化対策、現代の中絶問題、避妊や性教育といった根本的な課題に対する解決策には直接的に寄与せず、政策的な効果は限定的である。
主な情報源: こども家庭庁

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