犯罪被害者白書等の統計に基づき、女性に対する暴力の発生状況、罪種別の被害傾向、および近年の政策的対応の現状と今後の展望は何か?

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📊 事実

令和7年版白書における女性被害の統計(令和5年〜6年頃のデータ反映)

  • 刑法犯総数(交通業過を除く)の被害者総数26,563人のうち、女性の総数は22,899人であり、そのうち女性の死者は8,731人と報告されている ソース2
  • 殺人罪における女性被害者は209人(うち死者70人)であり、傷害罪では2,238人(うち死者729人)が女性被害者となっている ソース2
  • 強盗傷人罪の女性被害者は88人(うち死者23人)、強盗殺人罪は6人(うち死者1人)である ソース2
  • 性犯罪関連では、不同意性交等罪の女性被害者が7人(うち死者7人)、不同意わいせつ罪が12人(うち死者11人)と記録されている ソース2
  • 過失傷害罪の女性被害者は102人(うち死者70人)、業務上等過失致死傷(交通業過を除く)は188人(うち死者63人)である ソース2

犯罪動向と特定の暴力種別の傾向

  • 刑法犯の認知件数は、令和4年から3年連続で増加しており、令和6年には新型コロナウイルス流行前の令和元年の98.5%の水準まで回復している ソース5
  • 人が被害者となった刑法犯の認知件数も、令和4年以降増加に転じている ソース5
  • 個別の犯罪では、児童虐待に係る事件、ストーカー規制法違反サイバー犯罪特殊詐欺などの検挙件数が増加傾向にある ソース5
  • 少年による刑法犯の検挙人員は、令和元年に比べて13.8%増加した ソース5

調査研究と被害者支援の動向

  • 内閣府は、配偶者等からの暴力(DV)事案の被害経験に関する調査を3年に一度実施しており、直近では令和5年度に実施された ソース6
  • 法務省は、令和6年に一般国民を対象とした第6回犯罪被害実態(暗数)調査を実施した ソース5 ソース6
  • 令和7年版犯罪白書では、「犯罪被害の暗数と精神障害を有する者等の性犯罪被害」を特集し、被害実態の総合的な考察を行っている ソース5 ソース8
  • 令和7年6月1日より、懲役と禁錮を廃止し、受刑者の改善更生を目的とした拘禁刑を創設する改正刑法が施行された ソース5

💡 分析・洞察

  • 女性被害の潜在化と顕在化: 刑法犯全体の認知件数が増加に転じる中で、ストーカーや児童虐待といった女性や子供が被害者となりやすい罪種の検挙数が増えている。これは、実際の発生数増加だけでなく、社会的な意識の高まりや相談体制の整備により、これまで表面化しなかった被害が警察に届け出られるようになった側面があると考えられる。
  • 性犯罪における「暗数」への注力: 統計上の数値(不同意性交等罪など)が総数に対して極端に限定的に見える場合があるが、白書が「暗数」を特集している背景には、実際の被害が統計に現れにくいという強い危機感がある。精神障害者等の脆弱な立場にある人々の性被害調査を強化している点は、より実態に即した支援策を模索する動きと言える。
  • 多機関連携による調査の深化: 警察庁、内閣府、法務省、厚生労働省などがそれぞれの専門領域(DV、性暴力、精神健康、暗数調査)で調査を並行して実施しており、女性に対する暴力を単なる治安問題ではなく、福祉や公衆衛生を含む多角的な課題として捉える傾向が強まっている。

⚠️ 課題・リスク

  • 認知件数増加への対応能力: 刑法犯認知件数がコロナ禍前の水準に戻りつつある中で、増加する相談や事件への捜査・支援リソースが不足するリスクがある。特にストーカーやDVは継続的な監視や保護が必要なため、行政・警察の負担増が懸念される。
  • 新刑罰制度の実効性: 令和7年6月に導入された拘禁刑が、女性に対する暴力の加害者に対してどの程度「改善更生」の効果を発揮し、再犯防止に繋がるかは未知数であり、今後の運用実績を厳格に評価する必要がある。
  • デジタル空間での暴力: サイバー犯罪の増加が指摘されている通り、SNS等を通じたストーカー行為や性的搾取など、物理的な空間以外での女性に対する暴力への対策が急務となっている。

主な情報源: 法務省 / 警察庁

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