はい、私は選挙によって日本の国が良くなるとは全く思っていません。今回の選挙で多くの人が日本が変わると期待しているかもしれませんが、日本はさらに悪い方向へ進むでしょう。これは、1回や2回の選挙で回復できる問題ではありません。
同じように危機感を抱いているのが、産経新聞の阿比留さんです。彼は「戦後暗黒の時代到来か」と述べており、私も全く同感です。例えば、「参政党がどうなったら日本を良くする」といった話がありますが、そうではありません。阿比留さんが危惧している「日本暗黒の時代」というのは、本当にその通りだと思います。もはや教育でしか日本は変えられないと私は考えています。
阿比留さんの「極言御免」という記事を読みますと、石破政権が窮地に追い込まれているとあります。各社の参院選情勢調査でも、自公が過半数を維持するのは難しいという結果が出ています。16日付の読売新聞によると、自民党の平井候補部長は参院選後を「暗黒の時代」と呼び、次のように語ったそうです。
「衆院と参院で自民・公明両党が過半数を割るということは、政権交代前夜を意味する。しかし、自公よりも安定した政権ができるような状態ではない。何も決められない国会のない暗黒の時代が続くことになる。かつて『悪夢の民主党政権』と言われる3年3ヶ月があったが、悪夢の次は暗黒と来た。できれば避けたいところだが、20日の投開票日までにそう大きく流れが変わることはもうないだろう。日本社会は混沌状態に突入する。与党が衆参両院で過半数割れという事態になれば、激動期にある国際情勢についていくことは難しい。現与党側が政権を維持しようと、野党側が連立政権を誕生させようと、意思決定や調整に手間取り、石破氏の言う『決められない国会』となるだろう。恐ろしくもあるが、これも有権者の選択であれば仕方がない。自民の自業自得もある。」
平成21年、リベラル派と見られていた谷垣総裁のもと、自民党は民主党政権との差別化を図るため、憲法改正草案をまとめるなど保守色を強め、団結を維持しました。そして、保守派の安倍総裁率いる保守政党として、6度の国政選挙で大勝しました。これは何を意味するのでしょうか。自民党は基本的に安倍路線を踏襲していれば選挙に勝てていたのではないでしょうか。
安倍氏が暗殺されてから3年が経ち、今、自民党はLGBT増進法を制定するなど、かなりの部分でリベラル化しました。今や岸田首相と立憲民主党の野田代表の政策はほとんど違いがないと思えるほどです。安倍氏が生前危惧した方向へと党が流されています。
安倍氏が繰り返し話していたのは、「いかに無党派の保守層を自民党につなぎ止めるか」でした。「ここさえ抑えておけば、たとえ内閣支持率や政党支持率が低下しても選挙には勝てる」という判断があったのです。安倍氏は阿比留さんにこう語ったそうです。
「保守派は裏切りを許さない。私だって経済政策ではリベラル派的な政策を取ったが、社会思想では変えていない。そこは変えてはダメなんだ。」
これは安倍さんの言葉だということです。安倍さんも左派的な働き方改革や、事実上の移民政策を進めた部分もあります。しかし、社会思想では1ミリも変えていないと。ここは変えてはダメなんだ、と。これが安倍さんが阿比留さんに語った言葉です。
今の石破政権ほどではないにしろ、岸田政権がリベラル思考を示すことについて、安倍さんは次のように懸念していました。
「自民党にリベラル層がいるわけではない。一部の野党にはいてもだ。自民党がいかにリベラル側に手を伸ばしすり寄ろうと、そこに票はなく、無党派の保守派の票を奪うだけだ。」
つまり、LGBT政策などをやっても、無党派のリベラル層の票が集まることはありません。自民党の票が逃げるだけなのです。経済政策であればいいですが、社会思想でリベラルな政策を打ち出すと、票が逃げるだけなのです。
だって、ほら、百田さんがLGBT法を見て、「もう自民党はダメだ」と言って新党を立ち上げる決意をしたくらいですから。社会思想でリベラルを打ち出したら終わりなんです。それは裏切り者と見なされるんですよ。百田さんに限らず、LGBT法を見て「もう無理だ」と思った人はたくさんいたはずです。その票がわさわさとどこかに散っていったわけです。
だから、リベラルな政策をすればリベラルの票が来る、なんてことはありません。自民党は保守票、無党派の保守票をつなぎとめておかなければならなかったのに、岸田のバカがLGBT法を打ち出したわけでしょ。そして、一つも票を獲得できないまま、盤石な保守層の票がうわーっと散っていったわけです。
さらに悪いことに、石破さんは旧安倍派を辻斬りのようにバッサバッサと切り離していったわけです。そこを粛清するところではありません。自民党の根幹部分、基礎の部分ですよ。その人たちをバッサバッサと公認しなかったわけですからね。
岸田さんがLGBT法を作り、石破さんが旧安倍派を粛清した。そんな自民党がどうなると思いますか?急に人気が出るわけがありません。自民党が一番大切にしていた部分を二つもぶった切ったのです。社会思想でぶった切り、そして根幹をなしていた安倍派を粛清したのですから。そうなったらどうなるか?はい、こうなりますよね。
日本がこんなにダメになったのはなぜか?その二つのことをやったからですよ。この二つでもう終了してしまったということです。これが前回の衆院選の結果であり、今回の結果なのです。
「そんな自民党は潰れればいいじゃないか」と言うのは簡単ですが、その受け皿として信頼できる政党があるかというと、ないわけです。だって、国民民主党なんて選択的夫婦別姓に賛成ですよね。あんな法案を出してきて。維新はどうですか?全然国政政党として広がりがないじゃないですか。関西ではまだ力があるかもしれませんが、関東では全然議席が取れませんよね。前原さんなんかも離党して、結構迷走していますよね。
日本保守党だって、私と意見が一致するところは多いですが、まだ生まれたばかりの政党です。自民党の受け皿となって、今すぐに国政を担っていける中心になるかというと、まだ時間がかかるじゃないですか。
参政党は参政党で、公認継承が全くダメでしょ。
では、今すぐ自民党の受け皿になれる政党があるのでしょうか?だからこそ、その可能性を握っている人は、しっかり議席を保ってほしいと私は思うのです。
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