衆議院 地方議員選挙における選挙運動用ビラの頒布方法、時間、枚数に関する質問主意書
地方議員選挙のビラ配布:もっと有権者に届くようにできませんか?(質問主意書の要約)
現状の問題点
- 配布方法が限定的すぎる:
- ビラを受け取れるのは、主に選挙事務所、個人演説会、街頭演説の場に限られています。
- そのため、これらの場所に行かない多くの有権者、特に朝早く出勤し夜遅く帰宅する層は、ビラを目にする機会がほとんどありません。
- 新聞折込も認められていますが、費用がかかるため、経済力のある候補者しか実施できず、「お金のかからない選挙」の方針に反します。
- 配布時間が限られている:
- 街頭でのビラ配布は、街頭演説が可能な午前8時から午後8時までです。
- この時間帯では、通勤などで日中街頭にいない多くの有権者がビラを受け取れません。
- 配布枚数が一律すぎる:
- 一般市や特別区では、人口規模に関わらず一律4千枚と定められています。
- これにより、人口の少ない地域では当選必要票数を大きく上回るビラを配布できるのに対し、人口の多い地域では当選必要票数と同程度しか配布できず、不公平が生じています。
政府への質問
上記の課題を踏まえ、政府に対して以下の3点について見解を求めています。
- 配布方法の拡大: 費用がかからないポスティング(各戸配布)も認めるべきではないか。
- 配布時間の拡大: 街頭でのビラ配布時間を、現行の午前8時から午後8時に限定せず、時間制限をなくすべきではないか。
- 配布枚数の見直し: 一般市・特別区のビラ配布枚数を一律にせず、人口規模に応じて変動させるべきではないか。
この質問主意書は、より多くの有権者が候補者の情報を得て投票できるよう、選挙運動用ビラの配布に関する規制を緩和し、選挙の公平性を高めることを目指しています。
地方議員選挙ビラ配布の改善案、政府の答えは?(答弁書の要約)
質問1&2:ビラのポスティング(各戸配布)を認め、配布の時間制限をなくすべきでは?
- 政府の回答のポイント:「慎重な検討が必要です」
- 現在のビラ配布方法(新聞折込、選挙事務所、演説会場、街頭演説の場での配布)は、過去に国会で「ビラが無秩序に配られることによる問題」や「戸別訪問の禁止」といった点を考慮して決められた経緯があります。
- そのため、ポスティングを認めたり、配布時間の制限をなくしたりすることについては、こうした背景を踏まえて慎重に検討する必要があると考えています。
質問3:ビラの配布枚数を、人口規模に応じて変えるべきでは?
- 政府の回答のポイント:「各党・各会派でよく話し合ってください」
- ビラの配布枚数の問題は、選挙運動全体のあり方に関わる問題です。
- また、地方議員選挙でビラ配布が解禁され、その枚数の上限が決められたのは、議員からの提案による法律改正によるものでした。
- そのため、この問題については、まずは国会の各党・各会派で十分に議論してほしいと考えています。
まとめ
政府は、ビラの配布方法や時間の拡大については、過去の経緯から慎重な姿勢を示しています。配布枚数の見直しについては、まずは議員間で議論すべきとの考えを示しました。
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