こども家庭庁は不要!7兆円の壮大な無駄遣い

はじめに

こども家庭庁の令和7年度予算案は7兆3270億円に達し、前年度比1兆1063億円の増額が計上されました。この膨大な予算規模とその使途に対し、国民からは政策の妥当性や効果測定の不透明性、財源調達方法への懸念が噴出しています。本報告書では、予算配分の構造的課題から個別政策の実効性まで、多角的な視点で問題点を分析します。

予算規模と配分構造の課題

前例なき予算拡大の妥当性

令和7年度の一般会計総額4兆2367億円を含む7兆3270億円の予算規模は、社会保障費全体の15.3%を占める水準に達しています。この急激な拡大について、内閣府関係者は「医療保険料を目的外の子育て支援に流用する手法に違和感を覚える官僚も多い」と内部告発しており、特に「子ども・子育て支援特別会計」の1兆1766億円から2兆216億円への増額は、社会保障制度の根幹を揺るがす可能性が指摘されています。

財源調達方法の不透明性

財源の32%を占める医療保険料上乗せ方式については、年収300万円の単身者で年間2.8万~4.4万円の追加負担が生じるとされ、保険種別によって負担格差が拡大する構造的問題が浮き彫りになっています。武見厚生労働相自身が「一定の負担増が高齢者層に集中する」ことを認める事態に至っており、世代間公平性の観点から再考が迫られています。

政策内容の実効性に関する懸念

効果測定が困難な象徴的施策

「家族留学」や「こどもファスト・トラック」といった政策について、日本若者協議会の分析では「短期的成果を求める『やった感』演出に終始している」と批判されています。国立科学博物館の優先レーン設置実績では、1日5000人来場時に20~30分待ちを解消したとされますが、この数値が少子化対策にどのように寄与するかの説明が欠落しています。

少子化対策の本質的誤謬

人口学者の指摘によれば、現行政策は既婚者支援に偏り、未婚率40%を占める「不本意未婚層」への対応がほぼ皆無です。児童手当拡充(2兆1666億円)や育休支援(4315億円)といった既存家族向け施策が、婚姻率向上に直接結び付くエビデンスは提示されていません。

政策決定プロセスの構造的問題

官僚機構の意思決定バイアス

厚労省出身幹部のセクハラ更迭事件に象徴されるように、意思決定層の多様性欠如が慢性化しています。日本財団調査で国民が最も期待する「子どもの貧困改善」(20.3%)に対し、予算配分は1.2%に留まるなど、現場ニーズとの乖離が顕著です。

EBPM(エビデンスに基づく政策立案)の未徹底

「こどもまんなかアクション」広告委託費1350万円のような象徴的支出が目立つ一方、効果検証のための予算が0.03%しか計上されていません。特にJリーグ連携事業(詳細未公表)については、企画段階での費用対効果分析資料の開示が求められています。

財政運営の透明性に関する疑義

特別会計のガバナンス問題

新設された「こども金庫」特別会計において、12年ぶりの特会新設という制度設計自体が「無駄の温床」再生産リスクを内包しています。法政大学小黒教授は「資金フローの複雑化が予算の非効率性を助長する」と警告しています。

経営情報開示の不十分性

保育所等の経営情報見える化制度が2024年通常国会で改正されたものの、個別施設の収支計算書非公開方針が維持されており、「国民の保険料が現場職員に適正配分されているか」の検証が不可能な状況です。透明性確保の観点から制度見直しが急務とされています。

国民意識との乖離分析

政策優先順位の齟齬

週刊女性による1000人調査では、国民が求める政策トップ3が「保育園整備」(38%)、「教育費無償化」(28%)、「奨学金改革」(22%)であるのに対し、実際の予算配分は「児童手当拡充」(29.6%)、「医療的ケア児支援」(8.8%)などに偏っています。この乖離が「5兆円の無駄遣い」批判の根底にあります。

人権視点の欠如

スウェーデン大使館の分析によれば、日本の少子化対策が「出生率向上」という数値目標に囚われる一方、欧州諸国が「個人の自己実現権保障」を基軸に据えている点が根本的差異として指摘されています。この哲学的な相違が、家族像押し付け批判(46%)を生む構造的要因となっています。

改善に向けた提言

即時対応が必要な課題

  1. 医療保険料上乗せ方式の再検討:負担逆進性是正のため所得比例制導入
  2. 政策効果検証体制の整備:EBPM専門部局の設置と予算3%確保
  3. 未婚者支援プログラム創設:予算10%振り向けによる婚活支援基盤整備

中長期的改革案

  • こども家庭審議会の民間人過半数化:多様なステークホルダー参画
  • 子ども政策評価指数の開発:QOL指標を中心とした新たなKPI体系構築
  • 自治体連携型予算執行:地方創生枠30%拡充による地域実情対応

結論

こども家庭庁の予算を巡る問題は、単なる金額の大小を超えたガバナンスの根本的課題を示しています。7兆円という巨費が真に未来への投資となるためには、科学的エビデンスに基づく政策設計、多様な国民の声の反映、そして「子どもの最善の利益」を第一原理とする哲学の転換が不可欠です。

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